旬の恵みが教えてくれる、静岡の豊かさ 【小長井由雄】

  
春の気配が深まるこの季節、静岡の食卓には“ふじのくに”ならではの恵みが次々と姿を見せます。温暖な気候と豊かな水に育まれた食材は、どれも土地の個性が息づく自慢の味わいです。早春を告げるのは、県内各地で芽吹く新茶です。茶畑の緑が濃さを増す風景は、静岡に暮らす私たちにとって特別な季節のしるしであり、香り高い一番茶は忙しい日々の心をそっと整えてくれます。果実の旬も華やかです。県を代表するいちご「紅ほっぺ」や「きらぴ香」は甘さと香りの調和が魅力で、久能の石垣いちご狩りは春の風物詩となっています。柑橘の新星「はるみ」も旬を迎え、濃厚な甘みと爽やかな香りで食卓に春の明るさを添えます。

静岡は花の産地としても全国有数で、ガーベラの生産量は日本一。色とりどりの花が市場に並び始めると、暮らしに春の彩りが広がります。スイートピーやバラなど、園芸農家が丹精込めて育てた花々は、地域の文化を支える大切な存在です。さらに、駿河湾では桜えびやしらす漁が始まり、海の恵みも季節の移ろいを告げます。

こうした多彩な旬の恵みを守り、次世代へつなぐことは、県政に携わる私たちの重要な使命です。生産者の努力と地域の知恵があってこそ、静岡の食と花の文化は受け継がれてきました。これからも地域の魅力を発信しながら、農林水産業を力強く支える政策づくりに取り組んでまいります。