議会報告

令和6年6月定例会

意見書

不登校児童生徒に対して多様な学習機会を確保するための経済的支援制度の確立を求める意見書

(令和6年7月8日可決)

提出先

  • 衆議院議長
  • 参議院議長
  • 内閣総理大臣
  • 総務大臣
  • 財務大臣
  • 文部科学大臣

本  文

令和4年度の全国小中学校における不登校の児童生徒数は10年連続で増加し、29万9,048人となっている。本県においても9,643人が不登校となり、前年度から1,422人と増加し、さらに留意すべき児童生徒も多数存在していると考えられる。
こうした中、不登校児童生徒に対して学習活動、教育相談、体験活動などの活動を行うフリースクール等の民間施設(以下「フリースクール等」という。)や、家庭に拠点を置いて学習を行うホームスクーリングは、社会的自立に向けた学びの場として重要な選択肢となっている。しかしながら、フリースクール等は利用料の経済的負担に加え、身近に通うところがない場合には遠距離通学による時間的、身体的、心理的な負担から、諦めざるを得ない児童生徒もいる。
また、ホームスクーリングにおいてもオンライン教材への経済的な負担が生じており、家庭の経済状況によって受けられる学習内容にばらつきが生じている。
本県では、フリースクール等を運営する民間団体への運営費補助を行っているが、フリースクール等の数は充足しておらず、また、ホームスクーリングも含め、保護者の経済的な負担が大きい状況であり、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(以下「教育機会確保法」という。)の基本理念である「不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえた個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援」が果たされているとは言えない状態である。
よって国においては、教育機会確保法の基本理念を踏まえ多様な学習機会を確保するため、下記事項に取り組むことを強く要望する。

  • 教育機会確保法制定時の附帯決議の趣旨を踏まえ、フリースクール等の設立や運営に対する経済的支援制度を創設すること。
  • 不登校児童生徒が、家庭の経済状況に関係なくフリースクール等やホームスクーリングを活用した学びの機会を確保できるよう、保護者の負担軽減に資する経済的支援を早急に実施すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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