スタートアップって何ができるの?【伴卓】

 

8月下旬、会派の仲間と広島県に視察に行ってきました。目的は、広島県が取り組むスタートアップ関連事業のヒアリングです。

現在、静岡県ではスタートアップの支援事業に注力しています。鈴木知事が熱を入れているという背景もありますが、全国的に同様の事業に注力が進む中で、私は1年生議員のころから「もっと公共も関与してもいいのでは」と思ってきました。

今回、私たちの視察を受け入れていただいた《イノベーション・ハブ・ひろしまCamps》は、広島県庁が注力している、公共のスタートアップ支援の拠点です。

 

ここで一つ説明をしておきたいことがあります。よくスタートアップ支援を行政が行うことに対し「なぜ税金を使って民間の商業を支援しないといけないんだ」というご意見をいただきます。確かにおっしゃる通りです。県民の皆様に収めていただいた大切な県税をはじめ、国からの公金であったとしても、その原資はすべて公金、つまりは税金です。ですからそのお考えも十分わかります。

一方で、少し話は脱線しますが、例えば税金の使い道として、市民もしくは県民全員がその効果にあやからずとも、公益性が高いものがあります。例えば、生涯一度も救急車や消防車のお世話にならない方もいます。ですが、いつ急病になったり、火災に巻き込まれたりするかは誰しもわかりません。だからこそ、平時からみんなで少しずつ負担し合って、消防救急組織を用意しているのです。

 

話を元に戻しますと、例えば良いビジネスモデルを思いついた方がいるとします。「このビジネスモデルめっちゃ儲かる!」となったとしましょう。おそらく、そこには多くの支援が集まります。ですが、世の中には「その課題何とか解決したいよね!」と仮に全員が賛同しても、収益性がないが故に支援が集まらない場合があります。ですから、そこをみんなでコストを負担し合う(=税金)のが行政です。ですが、これをすべて公共の仕事として市役所や県庁職員に任せるのではなく、民間企業で「こんなアイディア(もしくはスキル)があります!」という事業者や、アイディアをもってこれから起業しようとする方のチカラを借りるのです。それこそが、公共によるスタートアップ支援だと私は考えています。

 

今回視察した広島県では「ひろしまサンドボックス」という事業を展開しており「課題を提案したい人」「課題解決手法を持っている人」のそれぞれから情報を発信してもらい、双方を結びつける取り組みをしています。

例えば「公共交通の廃線が進む」という課題に対して、利用者は少なく、空気を運んでいるだけでもいいから税金でバスを走らせるという施策を行政が行ったとき、様々なロスが生じます。しかし、民間企業と組むことによって、例えば貨客混載を可能とし、人も運ぶけど配送物も運び、収益性を高めることができれば、路線維持もしつつ生活の利便性も維持することができるようなります。

これは参考の話ですが、公共がスタートアップ支援に関与するということは、民間の収益ベースの中ではどうしても淘汰されてしまうものも、公共課題を共有し、多角的な視点で収益性を見いだしたり、行政予算やスポンサードによる支援を受けてでも、地域の課題解決をすることで、多くの市民県民に理解をいただくということができるはずです。ひろしまCampsでは、これらの視座でスタートアップ支援に取り組み、県や市からの課題解決に対するアイディアを、シーズ(初期段階)から具体案までをしっかり伴走し、課題も解決しつつ、しっかりと商業化して関わる方も事業継続ができるような取り組みを行っていました。 ひいては、地元で新たな企業が生まれ、雇用が生まれ、若年層の働く場や機械の醸成にも貢献していきます。

 

公共によるスタートアップ支援は、単なる民間の創業支援ではなく、社会課題の解決手法の提案であったり、地域の活力醸成にも貢献していると考えています。

現在静岡県では静岡市役所付近に「SHIP(Shizuoka Innovation Platform)」を開設し、同様の取り組みを開始しています。運営はLTSさんに入っていただいており、高い満足度をいただいています。若手の集まる会派として、将来を見据えた新しい公共の在り方に、これからも仲間の議員と取り組んでまいります。